2008年 12月 17日
敦煌の彫磚 |
庫車で出土した彫磚と同じような彫磚が敦煌でも出土していたことを本ブログでも指摘したが(http://sekio516.exblog.jp/tb/9057227),別件で敦煌市博物館(編)『敦煌文物』(甘粛人民美術出版社,2002年6月)を開いてみたら,同じ写真があった.54-55頁に,「青龍雕磚」「白虎雕磚」とあるのがそれで,最初から着色されていなかったように見える.ともに,「1982年4月出土于辛(新)店台墓群」となっており,同じ墓葬から出土したのであろう.大きさは,22.5×15×6㎝ということなので,一般的に横が30㎝を超える画像磚の中にあっては小ぶりである.時期的には比較的早期に属するのであろうか.技法的にも,この彫磚が北村永女史が主張されるように陝北の様式を継承しているとすれば,そのような可能性も捨てきれないように思う.もっとも着色された彫磚には,横が30㎝を超えるものもけっこうあるようなので,簡単には時代を特定できないようである.
この彫磚,『敦煌文物』に収録されているということは,敦煌市博物館に収蔵されているということで,ということは,見ているはずなのだが,全く記憶にない.当時は画像磚には漠然とした関心しか持っていなかったので仕方ないと言えば仕方ないのだが,なんとも悔やまれる.庫車から同類の彫磚が出土しなければ,こんなことにはならなかったであろう.
この彫磚,『敦煌文物』に収録されているということは,敦煌市博物館に収蔵されているということで,ということは,見ているはずなのだが,全く記憶にない.当時は画像磚には漠然とした関心しか持っていなかったので仕方ないと言えば仕方ないのだが,なんとも悔やまれる.庫車から同類の彫磚が出土しなければ,こんなことにはならなかったであろう.
by s_sekio
| 2008-12-17 09:00
| 余滴