2026年 02月 16日
司豪強『前涼与周辺政権関係研究』 |
甘粛文化出版社・敦煌与絲綢之路研究叢書,2024年12月.
書店の案内で見つけ,急いで取り寄せる.この表題からすれば当然なのだが,著者(蘭州大学敦煌学研究所の博士生)の修士(碩士)論文を一書にまとめたもののようだ.著者自ら言うように,類書は今までなかったが,内容は平板で総花的.「前涼東部諸国(両趙や前秦)基本較強,西部諸国(中央アジア諸国)普遍較弱」ので,前涼の対外戦略は「東守西進」だったという(結語,363頁).前涼の奇妙な元号奉用の意味するところをどう考えるのか,著者の考えを知りたいところだが,この問題に関してはほとんど言及がない.そもそもトゥルファン文書への言及がない.もちろん鎮墓瓶銘や河西出土の簡牘にも.佐藤智水氏の『講座 敦煌』の論文も引かれておらず,話にならない.言うまでもなく拙稿も.ただしなぜか,「“五胡”時代的“覇史”及其佚文捜集工作」が引かれていた.中文なので,入手しやすく,また読みやすかったというだけの話だろう.バカバカしい.でも藤枝晃「楼蘭文書札記」が引かれていた.まあ修論ならば仕方ないのかもしれないが,研究所のスタッフからどのような指導を受けているのだろうか.著者本人はいうまでもなく,指導役のスタッフの眼にも,私の成果は永遠に入らないのだろう.「成果」と呼ぶ価値がない,と言われそうだが.
by s_sekio
| 2026-02-16 19:25
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