2026年 01月 09日
『新疆庫車友誼路墓群』 |
ようやく待ちに待った正規な報告書が刊行された,と喜んだのだが,副題に「2021~2022年度発掘報告」とあるのを見て落胆というかショックを受けた.
この墓群の発見は,2007年,友誼路の真下に地下街を建設している最中であった.10基のうちの1基は敦煌のそれを彷彿とさせる画像塼墓であった.その後,2010年にも5基が見つかり,ここまでで合わせて15基.その後,2021年に周辺で発掘をしたら,371基という膨大な数の墓(春秋戦国時代から明代に及ぶという)が見つかり,さらに翌2022年にも127基(春秋時代2基,残りは魏晋南北朝時代)が見つかった.この2年で498基というとんでもない数の墓が見つかったことになる.今回の報告書はこの2年間に見つかった498基に関する報告書ということらしい(なお2023年にも62基が見つかっているようだが,これは対象外か).簡報は既にいくつか雑誌に掲載されているが,今回はそれをまとめたものなのであろう.ただこの498基のなかには画像塼墓は含まれてはいないようなので(補助塼は除く),上のような受け止めになってしまった.
報告書は上・中・下冊に付図がついて,新疆ウイグル自治区文物考古研究所編で科学出版社から刊行された(される)ようだが,朋友書店の目録で44,000円.まあ498基に関する報告書なので大部なのはわかるが,2010年までの15基は後回しというか,永久に報告書は出ないのだろうか.
by s_sekio
| 2026-01-09 15:53
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