2025年 11月 21日
日本史の古文書学と敦煌・トゥルファン文書研究 |
日本の敦煌・トゥルファン文書研究(文献研究ではない)が中国をはじめとする他国のそれに対してもっているアドヴァンテッジって何なのだろう.そもそもアドヴァンテッジなんかあるのだろうか.同じ漢字文化圏で,中国の文書行政システムを受容した古代日本(これは半島諸国も同じだが)ゆえ,日本古代史研究では,敦煌・トゥルファン文書研究(とくに日中比較)は,重要かつ大切な研究分野になっている.しかし中国古代史研究(中国史研究と言っても良いかもしれない)の問題関心とは直結しないように思われる.あるいは,中国史研究者が,正倉院文書などの研究成果を積極的に吸収して,逆に,中日比較をするということはありえるだろう.しかし日本史研究者が積極的に日中比較を行なっている反面,中国史研究者が中日比較を行なっているという例は寡聞にして知らない.どうしてなのだろう.
ただ正倉院文書研究などを通じて体系化されて古文書学の成果を尊重しながら,敦煌・トゥルファン文書を分析していくというスタンスをもっと自覚的に構築していく必要はあるだろう.実際に河音能平氏や石上英一氏らの成果への関心がようやく高まりつつある.遅すぎた感は否めないが,この方向性を突き詰めていくことは,アドヴァンテッジの発見につながるのではないだろうか.
by s_sekio
| 2025-11-21 10:30
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