2025年 04月 02日
山口 洋「中国古代における踰年改元について」 |
またEさんを煩わせてPDFを送ってもらい,早速読む.
後漢から魏晋南北朝・隋の即位にともなう改元事例を博捜してその傾向を明らかにした論稿.表題にあるように,一般的には踰年改元が行なわれていたことを確認している.ただし〈五胡〉時代については,踰年改元はほとんど行なわれておらず,「即位同時改元」が拡がっていたことを明らかにする.これが単に政権の当主が非漢族の出身であるという事情に由来するわけではないということも指摘しており,短編ながら教えられるところの多い論稿だった.私が不勉強だったからというわけではなく(不勉強だったことを否定するつもりはないが),あまり知られていない論稿で,もったいない気がする.踰年改元がほとんど行なわれていないということは,それだけ政権の不安定性を物語っているようにも思えるが,一方で江南や華北の強大政権・王朝の元号を奉用することによって安定化を目指したということか.「不安定性」の「質」のようなものが違うような気もするのだが.
ところで,史書には決まって「大赦,改元」という並びで出てくるが,どうして「改元,大赦」ではないのだろうか.大赦に改元がともなうのか,改元に大赦がともないのか.この書き方だと,大赦に改元がともなうように読めるが,それで良いのか.
by s_sekio
| 2025-04-02 20:56
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