2025年 01月 21日
西嶋定生「皇帝支配の象徴」 |
昨日の「亡霊への畏怖」は,『西嶋定生東アジア史論集』の第5巻に収録されているが,同じ第5巻第1部に収録されているのが,この小文.
そもそも私が現在,『〈五胡〉時代の文書と元号』というタイトルで一書にまとめようとしている小文群を書き始めたそもそものきっかけは元号法制化という流れに抗する意図があった.そのいきさつについては,『〈五胡〉時代の文書と元号』の「あとがき」に書くべきところだが,書き出すと一章分ぐらいの長さになりそうなので,別途サイトで公表予定の『元号史の周辺』の第2部の最後に由来を述べようと思っている.
元号法制化の前後に刊行された元号論関係の本は大分買い集めたが,ほとんどは新潟を離れる際に処分してしまった.そのリストはnoteにアップしたが,多くは日本史関係者が関与したもので,中国史研究者からの発言はなかったと思っていた(ただし,漢学の系譜を引く研究者が発言していたかもしれないが,これは未確認).しかし「皇帝支配の象徴」は,中国史研究者から発せられた数少ない元号法制化批判.ただ迂闊なことにこの小文の存在を知ったのは,第5巻に収録されたため.編者の春日井明氏には感謝しかない(春日井さん,ずうっと会っていないけれど元気かなあ).で,初出は,1976年11月22日の読売新聞夕刊.収録に際して副題が「元号をめぐって」と改められたが,初出時の副題は「存在論は“ちょんまげ派”」だったとのこと.なるほど.これが元号(の存続・法制化)に対する痛烈な批判だったわけだ.遅ればせながら,この西嶋先生の精神を受け継ぐことも意図して,小著の完成を急ぎたいと思う.
by s_sekio
| 2025-01-21 21:05
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