2024年 08月 24日
哀悼 多田狷介先生 |
I氏からのメールで,多田狷介先生が22日に逝去されたことを知った.1938年のお生まれだから,私より一回り上の世代になる.
先生と初めてお会いしたのは何時のことだろうか.歴史学研究会の東洋前近代史部会(現・アジア前近代史部会)の場であったことは間違いない.私が就職浪人時代を送っていた頃,敦煌に関する一般向けの本の内容チェックのアルバイトを紹介してくださったり,部会の終了後,遅くまで神田で飲んでいて帰れなくなった時には一泊越谷のお宅でご厄介になったりした.重近啓樹氏が静岡に,私が新潟に赴任する際に開かれた送別会にも顔を出してくださった.その後は,ご自身の論著を必ず贈ってくださった.私が拙著をお贈りした際には,いつも間髪を入れずに礼状を賜った.最後にお会いしたのは,確か6年前,東洋文庫で開かれていた水経注の研究会であった.当日上京した私は飛び入り参加だったのだが,窪添先生を代表とする研究会に,院生クラスの若い人びとに混じって真剣に史料と向き合っていた先生のお姿は今でも鮮やかに覚えている.ちょうど80歳になられた頃である.しかし今年,『塼画墓・壁画墓と河西地域社会』を出版社を通じてお送りした際,珍しくお便りをいただくことができなかった.あるいはご健康が優れないのではないか,と案じていたのだが,懼れていたことが起きてしまった.
先生のお仕事のなかでも,「中国古代史研究覚書」や「中国古代史研究の現在」の問題提起からはとりわけて多くの示唆をいただいて来た.そのことはこれからも変わらないだろう.どうか安らかに.
by s_sekio
| 2024-08-24 13:45
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