2023年 01月 31日
倭人条の情報源 |
山尾幸久氏に始まり,日本史研究者の仕事に接すると,倭人条ひいては東夷伝,さらには魏志の情報源に対する関心がとても高く,中国史研究者のそれを上回る感がある.魏略か王沈魏書か,という二者択一的な議論が盛んなようにも思うが,毋丘倹志記という説もあった.ただ外側から見ていると,どうしてこの問題に関心が集中しているようにも見えて,どうしてなのだろうと不思議に思ったりもする.仁藤敦史氏がいろいろな問題に言及しているが,239年の倭王遣使時での東アジアの政治状況に対する分析がまだまだ不充分ではないか.朝鮮史研究者や中国史研究者の成果を,朝鮮史研究者や中国史研究者と同じ程度に踏み込んで検証し,咀嚼していく必要があるのではないか.こんなことを書くと,「他人に厳しく,自分には甘く」を実践しているような感じになるが,中国史研究者による先行研究がある部分については,それに依拠し,ない部分についてだけ実証するという印象が拭い得ないのである.もっとも日本史研究者が中国史に関し
中国史研究者も刮目するような成果を残すのと同じように(あるいはそれ以上に),中国史研究者が日本史に関し日本史研究者が刮目するような成果をあげられるは難しい.それもまた事実.
by s_sekio
| 2023-01-31 20:56
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