2006年 02月 06日
翟彊の同類 |
一昨日の西北出土文献を読む会では,アスターナ59号墓の出土文書を読んでいたのだけれど,この墓は59という番号からわかるように,翟彊文書が出土した62号墓の(隣とは言えないが)近くに位置している.で,62号墓の被葬者が翟彊の近親だったとすれば,この59号墓からは,翟定に関する文書が数点出ているので,翟氏一族墓であった可能性が考えられる.その翟定に関する文書だが,うち1点はやはり辞,不明の2点のうち1点はやはり辞の可能性がある.それ以外にも,辞が3点(うち1点=66TAM59:4/7(a)は明らかに習書),啓が1点ある.平装本の『吐魯番出土文書』には,同墓出土の文書・文献が22点収録されているので,約25%が辞と啓であり,かつ一部に翟定が関与していたのである(残辞・残啓が多いから,それらも彼が関与していた可能性を否定できない).翟氏一族は一族をあげて辞・啓に依存していたのだろうか.まあこれは半分(以上か),想像の世界の話である.
by s_sekio
| 2006-02-06 21:31
| 余滴