2024年 03月 06日
「敦煌・吐魯番研究の最前線:その伝統と革新」趣旨説明・続 |
結局,担当者自身の判断による「正史」.まあ「正史」が正確だったためしはないのであって,今回の「正史」も例外ではない.でも趣旨説明にはそぐわない内容だった.シンポジウムの趣旨説明とは,そもそもシンポジウムの趣旨,そして報告者と報告内容の紹介を行なうものだろう.シンポジウムの趣旨については最初に説明があったが,報告者と報告内容については言及がほとんどなし.だからであろう,最初の講演者である裴成国氏は日本語で自己紹介(留学歴を含めた学歴)しなければならなかった.これは招待した側・講演を依頼した側として失礼である.また他の報告者についても同じで,報告者のみならず会場の参加者やオンラインでの参加者に対しても,失礼かつ不親切ではないか.「国際シンポジウム」と銘打っているにもかかわらず,準備不足も否めない.おそらくは,趣旨説明担当者自身も,各講演者・報告者の講演・報告の内容をちゃんと理解ないしは把握できていなかったのだろう.おそらくは準備不足と力量不足のために.
シンポのA4チラシにも,こうある.
20世紀に新たな学問領域として成立し,世界に広まった敦煌学・吐魯番学は,一世紀を越える歴史を経た今日も,その重要性を失っていません.しかしその学問の一角を担ってきた日本の学界では,近年全体に関心が薄れ,過去の精彩が失われつつあるように思われます.
そう言うんだったら,昨年夏の「伝承与創新:中国敦煌吐魯番学会成立四十周年国際学術研討会」の招聘状が総括者(趣旨説明担当者)に届いたら,自らが日本の敦煌・トゥルファン学者を代表するようなペーパーを用意し,それだけではなくメンバーに対しても大会参加やペーパー用意を促し,積極的に関与していくべきだろう.もっとも総括者に招聘状が届いていないとすれば,これは無理.でもそれでは,お話にならない.悲惨.ただただ悲惨.
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by s_sekio
| 2024-03-06 19:55
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